2014/ 5/ 7 更新

平成25年度 家畜輸出入に関するセミナー

 平成26年3月19日(水)、「平成25年度 家畜輸出入に関するセミナー」を開催しました。


開催にあたって
  経済再生政策による景気回復への期待感が高まっている中で、畜産の現場では、飼料価格や燃料価格の高止まりに加えて、供給不足から来る異常とも言える子牛価格の高騰が続き、生産コストの一層の増大による厳しい状況が続いています。畜産農家に健康な輸入生体家畜を供給する使命を担う当協議会会員は、畜産物需給の動向、為替動向はもとより、少子高齢化の進展や消費税増税による消費の動向にも一層注視しつつ、顧客ニーズに応えていかねばなりません。
  一方、家畜衛生面では、口蹄疫や高病原性鳥インフルエンザ等の重大な疾病の国内発生はなく、平穏に推移していましたが、昨年秋以降7年ぶりに豚流行性下痢(PED)が流行し、南九州を中心に多くの哺乳豚が死亡しています。このウイルスは遺伝子解析の結果、海外で流行したものに酷似していると言われています。また、我が国周辺のアジア諸国では、従来のO型に加えて新たにA型の出現を含む口蹄疫が続発しているほか、韓国ではH5N8亜型の高病原性鳥インフルエンザが今年に入っても続発しています。更に、ロシア及びその周辺国ではアフリカ豚コレラが流行しているなど、これらの伝染病が我が国へ侵入するリスクは一段と高まっています。これを阻止するため、動物検疫所による厳重な水際対策が進められるとともに、国内防疫としては、飼養衛生管理基準の遵守や防疫演習等による発生予防措置の徹底が図られています。当協議会では、これらの伝染病の発生状況と諸施策について、あらゆる機会を通じて会員の皆様に周知と協力依頼を行ってきています。
  当協議会では、会員並びに会員以外の皆様に対し、畜産業界に関連した事柄や家畜の輸出入に深くかかわっている「家畜衛生・公衆衛生」に関する事項のほか、その時々に話題となっている関連情報を提供する場の一つとして、毎年、セミナーを開催しております。本日は、「畜産物等の消費行動」と「感染症の経済的リスク」をテーマとして開催いたします。
  本日のセミナーが当協議会会員をはじめ、関係者の皆様の業務推進の一助となることを願っております。
平成26年3月   一般社団法人 日本家畜輸出入協議会
理事長 中塚 眞五


鳥羽 氏

「畜産物等の消費行動について」

一般社団法人 JC総研 主任研究員 鳥羽 賢一 氏

■主な内容
・消費行動調査の概要(米、野菜や果物、畜産物等について全国2000名を対象とした調査)
・食生活の実態(肉の摂取量や米の食数。朝食について。野菜を毎日食べるか等)
・畜産物等の消費動向(牛肉や豚肉、鶏肉等の摂取頻度。購入する精肉の種類を決める要因や重視点等)
■資料のダウンロード:「 畜産物等の消費行動について 」 [PDF 830KB]

吉村 氏

「感染症の発生は止むことを知らない。発生したら、何が起きるのか。」

日本獣医生命科学大学 特任教授 吉村 史朗 氏

■主な内容
・国内の発生状況(近年の家畜伝染病や届出伝染病の発生等)
・新興/再興疾病の発生(口蹄疫、鳥インフルエンザ、豚流行性下痢、PRRS、シュマーレンベルクウイルス感染症、MERS等の発生状況)
・発生によって何が起きるか(社会活動の制約、畜産の生産体制や畜産物需給への影響等)
・リスクはどこにでもある。そして、新たなリスク(米国のPED、日本のノロウイルスや白斑被害等の実例)
・国産の重要性を再認識(日本と世界の食肉需給、日本の飼養戸数と飼養頭羽数の推移等。TPPと農業)
・何をなすべきか(発生予防:安全性確保、早期発見、まん延防止、被害抑制)
■資料のダウンロード:「 感染症の発生は止むことを知らない。発生したら、何が起きるのか。 」 [PDF 3.3MB]